体格、目的(釣り、ツーリング、ダイビング)、住宅事情、クルマ事情・・・ベストなカヤックを選ぶために。

大前提・・・シットイン?シットオン?基本的な考え方

脚を艇内にすっぽり収めるのがシットイン(Sit inside)

足を艇の内部にすっぽり収めるシットインタイプ。ZeroKayak ZK-09

座る位置が低いので重心が低く、安定性が高い。シットオンと比較して、同じ安定性を細い形状で実現できる。艇が細ければ水の抵抗は少なく、より楽に、より速く漕ぐことができる。スカートという装備を施し、コックピット(人が乗る部分)の開口部をふさげば、艇の中から体温が逃げにくく、雨も防げる。

沈(=転覆)してもスカートを外さなければ、体が艇から投げ出されないので、パドルを使って転覆状態から素早く回復することもできる。

スカート無しで沈した場合、引き起こすのがシットオンに比べて難易度が高く、排水の手間がかかる。

カヤックフィッシングにシットインを用いるのは、全体からみると極々少数派で、足漕ぎのシットインカヤックは存在しない(知る限り・・・


脚がデッキ上に露出するのがシットオン(Sit on top)

脚はデッキ上に露出するシットオンタイプ。ZeroKayak 12ft

シットインに比べて座る位置が高いため、重心が高くなるが、幅を広くとったり、ハル(船底)やキールの形状で、ロール(横転方向の動揺)に対抗したつくりになっている。

脚をデッキ上に露出するため、両脚を海に投げ出して涼んだり、横向きに座ったり、姿勢を変えやすいため、長時間浮いていても疲れにくい。

沈すると、体は艇から分離して水に投げ出されるが、ハッチやドレンプラグを締めていれば基本的には浸水しないので、リカバーしやすい。

釣りに用いる場合、魚の粘液や血、イカの墨で艇が汚れることがあるが、シットインに比べて洗い落としやすい。

日本のカヤックフィッシング界隈では圧倒的にシットオンユーザーの方が多く、そもそもフィッシング用シットインは選択肢がかなり少ない。

構造で選ぶ

・リジッド(ハード艇、ソリッド艇)

リジット艇。ZeroKayak12ft(ベタナギ カヤックフィッシング 長崎友昭様)

ZeroKayakシリーズやCirrusはこのタイプ。艇本体が固い素材で作られた単一構造で、折りたたんだり、分割したりできない。

艤装の拡張性や、耐久性に優れ、適切に管理すれば半永久的に使える。

4m近い艇本体をどこに置くのか?アパート、マンションでは保管方法に工夫が必要。車で運ぶ際は、基本的にルーフキャリアが必須となる。

ポリエチレン製が多いが、上級者向けモデルではより軽量で取り扱いに注意が必要な素材・・・ABS、ポリカーボネート、FRP等も用いられる。

カヤックアングラーの大多数はこのタイプ。


・インフレータブル

インフレータブル艇。取り扱い終了(店長 東)

空気を入れて膨らませて使うタイプ。何と言っても、収納性の高さが魅力的。車にキャリアが無くても車内に収納できるし、キャリーバッグが付属している製品も多いので、その気になれば電車、バスで運搬できる。

総重量が軽いものが多いので、女性でも扱いやすい。

加圧した状態で炎天下に放置しない、ルアーのフックや魚のヒレ等尖ったモノを当てない、同じ折り目で何度も折りたたまない・・・等、注意事項が多いデリケートな構造。ねじを打ち込むこともできず、艤装パーツの取り付けも工夫が必要。

万が一海上、湖上で空気が漏れれば航行不能となり、艇を捨てて泳いで戻るか救助を呼ぶことになるが、複数の気室を持ち、空気漏れリスクを分散している製品もある。

穴が開いて空気漏れが生じた場合、付属の修理キットや、自転車のパンク修理キットなどを使って自分で補修できる場合がある。


・分割式、モジュラー式

艇が2ピース、3ピースで分割できるようになっている艇。保管や運搬の選択肢が増えることはもちろん、1スパンごとに運んで波打ち際で組み立てるということもできる。

艤装パーツの取り付けはリジット(ハード)艇と同じように、タッピングねじ、リベット、ボルト・ナットを使えるが、経年で継ぎ目がヘタり、艇全体の引き締めが弱く、しなるというレビューも見受けられる。


・折りたたみ、ファルト式

アルミ、FRPのパイプで構成された骨組みに、防水・撥水処理をした合成繊維の「皮」を張るタイプ。インフレータブル艇同様に、収納性の高さが特徴。

フレームに「皮」を張るタイプ以外には、ビニールシートを折り紙のように折って艇の形を作り上げる製品も存在する。


推進方式で選ぶ

・パドルカヤック

パドルの例。左:アルミシャフト、ABSブレード 右:フルカーボン

最も基本的な推進方式。カヤック・カヌーに乗るすべての人が、この道具を扱う技術を習得するべき。

熟練したパドラーは、前後進、右転、左転はもちろん、360度任意の方向に艇を操り、転覆状態からの復旧も可能。(シットインタイプ)

腕だけでなく、腹筋や背筋も使うので、ある程度体力が必要。

自分に合った長さ、ブレード(水かき部分)形状、シャフト(棒の部分)形状のパドルを見つけ出して、使いこなす漕ぎはまさにスポーツそのもの。

シングルピース(分割できない)パドルもあれば、ツーピース、スリーピース、フォーピース・・・等、複数に分割できる収納性の高いパドルも人気。

パドルカヤックの場合は、万が一パドルが破損した場合に備えて予備パドルを装備しておくことが望ましい。

ブレード、シャフトの素材によって値段もピンキリで、軽ければ軽い程良い(カーボンファイバー製が多い)。

ペダルカヤック(足漕ぎ)やモーターカヤックでも、機構の万が一に備えてパドルは必携だが、基本的に離着岸時にしか使わないので、パドル専用カヤック程こだわる必要はない。


・ペダルカヤック(足漕ぎ)

フィン式ペダルドライブ
プロペラ式ペダルドライブ

両腕を使うパドルと異なり、自転車のように足で漕ぐカヤック。

大別するとフィン式とプロペラ式に分かれる。フィン式ドライブの元祖はアメリカのHobie社で、1997年から販売されている。

Hobie社フィンドライブの上級モデルでは、前進だけでなく、後進も可能で、障害物に接触した際にフィンを跳ね上げてダメージを回避するキックアップ機構や、出力方向を360度回転できる機構を搭載している。

Hobie社以外のフィンドライブは、前進機構のみなので、減速、後進はパドルを併用する必要がある。

対して、プロペラ式は、ペダルを前後に往復させるフィン式と異なり、自転車のような回転運動で動作するため、逆回転させることで減速、後進ができる。

どちらのタイプでも、浅水域ではドライブを海底/湖底に接触させてしまうため、ドライブをデッキ上に格納する必要がある。

離岸してから十分な水深が確保できるまで、または着岸時に浅いエリアに向かう場合は、ドライブではなく、パドルで艇を操る必要があるし、洋上のドライブ故障に対応するために、ペダルカヤックでもパドルは必携。

ただしこのパドルは、信頼性さえ高いものであれば、パドルカヤックほど重さや形状にこだわる必要はない。


・船外機、エレキ、セーリングカヤック

カヤックにエンジンやエレキモーター、帆を取り付けて推進するようなタイプも存在する。

エンジンやエレキを取り付ける場合は、その出力が2馬力以下であっても、全長3.33m(登録長3m)以下の艇に取り付けないと、船舶検査や免許が必要となるので注意。

定員で選ぶ

・一人乗り、シングル艇

カヤックは、一人乗りが基本。

ほとんどのカヤックは、一人乗り用に設計されている。

しかし大型クーラーボックスに対応しているような、13ft(≒4m)クラス以上であれば、小さい子供を2人ほど載せることができる。(積載量を確認し、安全に十分配慮してください。)


・二人乗り、タンデム艇

成人パドラーが二人乗れるカヤック。クーラーボックスを置くスペースもあったり、パパ・ママ+小さい子供orペットの犬と一緒にパドリングを楽しむことができる。

パドルカヤック、ペダルカヤック、インフレータブル、分割、ファルト・・・ほぼどのタイプにもタンデム艇は発売されている。

割り勘で仲間と買って良し、ファミリーレジャーに良し、遊び方のバリエーションを増やせる楽しい艇。

タンデム艇の場合、「二人でしか乗れない」ものと、「一人でも乗れる」ものがあるので、購入前に要検討。

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